健康コラム

そんなに食べてないのにどうしてヤセないの?~食べるタイミングと良質な睡眠が大切というお話~

そんなに食べてないのにどうしてもヤセないという方がいるかと思います。国民栄養調査の報告によると、この40年間で摂取カロリーは約2100キロカロリーから約1900キロカロリーまで減少し、一方、男性の肥満割合は約2割から約3割まで増加していました(ちなみに女性の肥満割合は変わっていません)。このことから実際に食べてないのに痩せなくなっていることがわかります。原因として自動車やパソコンの普及などによる運動不足や、脂肪の多い食生活の変化などが思い浮かぶのではないでしょうか。今回は食べるタイミングと良質な睡眠もヤセるのに大切というお話です。

食べる量が同じでも?

食べる量が同じでも朝と夜ではどちらが太りやすいでしょうか。答えは夜の方で、細胞の働きが時間帯によって変化する時計遺伝子の一つ「BMAL1(ビーマルワン)」が関係するといわれています。

「BMAL1(ビーマルワン)」は身体に脂肪をつける働きがあり、早朝から午後2時にかけて働きが弱くなり、夜中の午後9時から午前2時にかけて働きが強くなります。つまり、昼のおやつは脂肪がつきにくく、夜のおやつは脂肪がつきやすく危険ということです。

睡眠時間にも注意

また、寝不足や徹夜で妙に食べたくなるという経験はないでしょうか。実際に睡眠時間が短いほど、肥満になりやすいという報告があります。その原因として食欲に関わる二つのホルモン「レプチン」と「グレリン」があります。「レプチン」は食欲を制御するホルモンで、睡眠不足になると減少し、食欲が抑えにくくなります。一方、「グレリン」は食欲を促進するホルモンで、睡眠不足では増加し、食欲が増してしまいます。そのため、寝不足ではついつい食べたくなるというわけです。さらに夜食は脂肪もつきやすいので気をつけないといけません。

週末の遅寝遅起きで、生活リズムが乱れるのも危険です。食事時間が遅くなり、週明けに寝不足になりやすいので、ヤセにくくなります。週末の遅寝遅起きは「社会的時差ぼけ」といって、週明けの体調不良の原因として注目されています。週末の寝坊はできるだけ2時間以内にするように心がけましょう。

肥満と睡眠時無呼吸症候群

ところで、睡眠時無呼吸症候群という病気があります。大きないびきや日中の眠気、集中力低下などが特徴で、脳心疾患や認知症、高血圧、糖尿病などの身体疾患の誘因となります。また、十分に寝たつもりでも、睡眠中に息が止まるたびに脳が起こされるので、実際には脳が休めず、睡眠の質が悪化します。居眠りによる交通事故や産業事故の誘因ともなる病気です。睡眠時無呼吸症候群の原因の7割は肥満といわれており、減量が重要です。睡眠時無呼吸症候群を治療しないでいると、良質な睡眠がとれず、睡眠不足となり、食欲が出て、なかなか痩せられないといった悪循環に陥ってしまいます。心当たりのある方はお問い合わせください。

最後に、ヤセるために「早寝、早起き、朝ごはん」を心がけましょう。

この記事を書きました
坂井 邦彦さかい くにひこ
新潟臨港病院内科
内科/呼吸器内科
坂井 邦彦
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