股関節は早ければ小学校入学前から痛みが出現することもあり、その年齢に応じた治療が必要になります。専門的なリハビリなどの治療により、今後の生活の仕方を覚えてもらい、痛みを和らげることを考えます。ただ、それでも痛みがなくならない、日常生活が不便である場合、手術による治療が必要となります。関節軟骨がまだ保たれている状況では、骨切り術(例:寛骨臼回転骨切り術など)、軟骨がすり減った状況では人工股関節全置換術(THA)が主に行われます。このように、長い期間付き合っていかなくてはならない関節を再建する、ということが我々の役目であると考え、関節再建センターと命名いたしました。
関節再建センターでは、股関節疾患に特化した医療(専門の医師・看護師・リハビリテーション)により早期社会復帰を目指した医療を提供しております。筋肉を限りなく切らない負担の少ない手術を心掛け、また、ナビゲーションを用いて人工股関節を正確に設置することで、合併症を減らし患者様に満足していただけるようにしております。また、患者様の社会的背景(仕事をしているため、会社を長くは休めない)や近年の家庭環境の変化(おじいちゃんやおばあちゃんと同居していない、もしくは近くに住んでいないため、長く家を留守にできない、また一人暮らしなのでしっかりリハビリしてから帰りたいなど)にも対応できるよう、患者様の事情に合わせた治療に努めております。そして、手術後も1日6000歩から1万歩を歩けるような股関節にできるよう、お手伝いいたします。
最後に、受診してくださった皆様の気持ちに寄り添い、手術だけに限らない適切な治療方法を共に考えていきますので、どうぞ気軽にお越しください(紹介状なしでも結構です)。